【Python×Excel】openpyxlで棒グラフを作る【デザインレシピ】

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Python外部ライブラリ(openpyxl)_グラフの作成_棒グラフ openpyxl

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本記事では、ExcelをPythonで操作する「openpyxl」ライブラリの解説をしていきます。

Excelには多くの機能が搭載されておりますので、ひと記事ですべてを網羅的に解説することはできません。大項目(機能)ごとに分けて連載記事【Python×Excel】としてまとめています。

openpyxl_目次_完結版_rev0.1
図1. 連載【Python×Excel】のコンテンツ一覧

前回の記事(連載7回)では、openpyxlによる「グラフの作成手順の概要」と「グラフを構成する要素のクラスやオブジェクト」について紹介しました。

今回からは【実践編】としてサンプルコードを交えて、より具体的にグラフ作成の手順を解説していきます。openpyxlを使うことで、驚くほど簡単に実用的なグラフを描画できることを実感してみてください。


この記事を読むことで、次のようなことが「できるわかる」ようになりますので最後までお付き合いください。

この記事で学べること
  • 折れ線・棒グラフといった系列ごとに同じ項目(カテゴリ)を共有するタイプのグラフの作成方法が分かる。
  • 棒グラフ(BarChart)の作例をサンプルコードを交えて図解で解説する。
  • 棒グラフ特有の構成要素について
    1. グラフの形態:平面(2D)/立体(3D), バーの向き(縦・横)、積上げ型…
    2. 棒バーの書式:塗りつぶし効果・ラベル・間隔・スタイルの種類…

なお、本記事ではPythonプログラムでグラフを作成する際のキーポイントや特殊属性(プロパティ)について解説していきます。グラフそのももの説明は各種Excelの専門書を参考にして下さい。

本サイトでの紹介例は一例です。また、関数などの省略可能なオプション引数などについては割愛していますので、詳細や不明点などは必要に応じて公式サイトなどを参照してください。

【公式サイト】https://openpyxl.readthedocs.io/en/stable/index.html

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1. 「棒グラフ」の作成手順について

oenpyxlでグラフ作成をする手順(フロー)について解説します。

折れ線、棒グラフなど、各系列によって同じ項目(X軸の値)を共有するタイプのグラフは、全ての系列データをまとめて「Referenceオブジェクト」として一括参照できます。図2にフロー全体を体系化しました。

図2. グラフ作成の手順(系列データを一括参照)

図2のブロック(~)について解説します。

.Chartオブジェクトを取得する

Chartオブジェクト はグラフ本体(フレームワーク)となります。

グラフのタイプごとに専用のクラスが用意されています。今回の「棒グラフ」であれば BarChartクラス からBarChartオブジェクトを取得します。

.Chartオブジェクトにグラフの要素を追加する

グラフを構成する要素には、タイトル、凡例、軸のタイトルなどがあります。

これらは、Chartオブジェクト 配下の属性(プロパティ)によって追加・設定します。

.データの参照情報をReferenceオブジェクトとして定義する

グラフが参照するセル範囲を Referenceオブジェクト として定義します。参照するセル範囲は、「系列名を含めたデータ領域」と「項目名」の2つです。(図3) Referenceクラス は<関連記事>を参照願います。

python_Referenceオブジェクトの参照領域(データ領域_項目名領域)_rev0.2
図3. Referenceオブジェクトが管理する参照範囲

.Chartオブジェクトにデータを設定する

で定義したデータ領域を指す Referenceオブジェクトadd_data()メソッド でChartオブジェクトに追加します。

.Chartオブジェクトに項目名(カテゴリ)を設定する

で定義した項目名(カテゴリ)を指す Referenceオブジェクトset_categories()メソッド でChartオブジェクトに追加します。

.系列データごとに装飾効果を適用する

グラフの個々の系列データは Seriesオブジェクト として管理されています。マーカーやライン、塗り潰しなどプロットエリア内の装飾効果は、Seriesオブジェクト配下の属性にて設定します。

Seriesオブジェクトは、Chartオブジェクトの seriesプロパティ で取得できます。

.Worksheetにグラフを挿入する

最後にWorksheetオブジェクトの add_chart()メソッド の引数に、これまでに定義してきたChartオブジェクトとグラフの挿入位置(セルアドレス)を指定してワークシートに挿入します。

以上がグラフ作成の手順となります。

次節からは、具体的なサンプルコードを交えながら詳細解説していきます。今回は、「棒グラフ(BarChart)」の作例を紹介します。

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2. openpyxlによる「縦棒/横棒グラフ」について

Python_基本文法_内包表記

「棒グラフ」とは、X軸(項目名)とY軸(値)の対となるデータの絶対量をバー(棒線)で表現し、項目間、系列間の比較が、一目で確認できる形態のグラフです。データの参照情報は、全ての系列データをReferenceオブジェクト として一括にまとめまて管理します。

同じようなグラフに「散布図」がありますが、違いはX軸の値(カテゴリ)を各系列間で共有する点にあります。

棒グラフの本体(Chartオブジェクト)を提供するクラスは、グラフの次数により、平面(2D)ではBarChartクラス と立体(3D)では BarChart3Dクラス の2種類があります。

BarChart

<棒グラフ>

from openpyxl.chart import BarChart

BarChart(gapWidth, overlap)

引数: gapWidth:系列間の間隔を調整する(デフォルト150)

引数: overlap:積み上げの重なり具合の調整(デフォルトNone)

ほか省略可能な引数は多数,全てオプショナル引数

戻り値: Chartオブジェクト


<棒(3D)グラフ>

from openpyxl.chart import BarChart3D

BarChart3D(gapWidth, gapDepth, shape)

引数: gapWidth:系列間の間隔を調整する(デフォルト150)

引数: gapDepth:床面の奥行を調整する(デフォルト150)

引数: shape:バーの形状を指定する(デフォルトNone)

ほか省略可能な引数は多数,全てオプショナル引数

戻り値: Chartオブジェクト

また、BarChart(3D)オブジェクト がもつ grouping属性 によって、グラフの形態を「”standard“(標準)」「”stacked“(積み上げ)」「 “percentStacked“(100%積み上げ)」の3つの中から選択することができます。さらに、type属性 によりバーの向きを「“col”(縦方向)」「“bar”(横方向)」で指定することができます。

棒グラフの次数と形態・バーの向き、それぞれの特徴は図4に示すとおりです。

棒グラフの種類
図4. 棒グラフの種類

プロットエリアの構成要素には、バー(棒)がありますが、内部を任意のパターンで塗り潰す、間隔の調整やラベルを付与するといったことができます。

これらは、系列ごとに Seriesオブジェクト として管理されています。

以上、棒グラフ(BarChart(3Dを含む)オブジェクト)の概要についてでした。次節からは具体的なサンプルコードを示しながらグラフの作成手順をステップごとに解説していきます。

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3. 棒グラフ(BarChart)の実装

それでは、次のような仕様をもつ棒グラフの実装例をステップごとに順番に解説していきます。

実装する「棒グラフ」の仕様
  • 3つの系列、4つの項目を参照する「棒(縦)グラフ」とする
  • メインタイトルと軸の(サブ)タイトルを表示する
  • 凡例をグラフの下側に配置する
  • 特定の系列のカテゴリにパターン(塗り潰し)を設定する
  • データラベルを配置する

3.1 「棒グラフ」の概要を定義する【Step.1】

はじめに、必要なクラスのインポートから、グラフ本体となる BarChartオブジェクト、それからタイトルや凡例などのグラフエリアを構成する要素を次の<List1>で定義します。

このプログラムで使用するブック(.xlsx)ファイルは以下からダウンロードできます。

# モジュール・クラス群のインポート-------------------------------------------

from openpyxl import load_workbook

# 棒グラフ作成(グラフ本体、データ参照情報の定義)に必要となるクラス
from openpyxl.chart import BarChart, Reference, Series

# パターン(模様)塗り潰しに必要なクラス
from openpyxl.drawing.fill import PatternFillProperties, ColorChoice

# 個別データ(項目名・カテゴリ名)情報の定義に必要なクラス
from openpyxl.chart.marker import DataPoint

# データラベル情報の定義に必要なクラス
from openpyxl.chart.label import DataLabel, DataLabelList

# ファイル(シート)読込--------------------------------------------------------

wb = load_workbook('Graph_DataSource.xlsx')  # Excelファイル(元データ)の読込み
ws = wb.worksheets[0]                        # Worksheetオブジェクトの取得


# [A] グラフ本体と構成要素の準備 ----------------------------------------------

# Chartオブジェクト(棒グラフの本体)を取得
c1 = BarChart()


# グラフの大きさを調整する
c1.width = 18     # デフォルト(15cm)
c1.height = 10    # デフォルト(7cm)


# グラフのタイトルを設定(メイン、軸)
c1.title = "Bar Chart"               # メインタイトル
c1.x_axis.title = 'Month'            # X軸のタイトル
c1.y_axis.title = 'Precipitation'    # Y軸のタイトル


# グラフの凡例
c1.legend.position = 'b'     # 凡例の配置位置

#---------------------------------------------
# <List2>へ続く

それでは、ポイントを解説します。

15行目までは、棒グラフの本体機能を提供する BarChartクラス や棒(バー)の装飾(※)に必要となるクラス群をインポートしています。※後半の各系列データの個別設定で使用します。

また、26行目で BarChartオブジェクト を取得(変数c1に格納)しています。以降の処理では、このBarChartオブジェクト配下のメソッドや属性(プロパティ)を使ってグラフを構築していきます。

30,31行目:【サイズ指定】

グラフの大きさはデフォルトでは(17cm×7cm)で作成ますが、個別に指定する場合には、width/height属性 で設定しています。

35~37行目:【タイトルの設定】

メインタイトルは title属性 で設定します。X軸/Y軸のサブタイトルは各軸のオブジェクトに対して title属性 で設定します。軸のオブジェクトは x_axis/y_axis属性 で取得しますが、今回のコード例では属性チェーン(属性.属性)で一度に設定しています。

41行目:【凡例の設定】

凡例のオブジェクトは legend属性 にて取得します。デフォルトでは凡例は自動で表示されますが、「legend属性」に“None”を設定することで非表示にすることができます。

また、凡例の位置は position属性 で指定できます。今回の例では、“b”と指定してプロットエリアの下側に凡例を配置するようにしています。これ以外にも‘r’,’l’,’t’,’tr’のオプションがあります。

ここまでのコードを実行しても図5のようにグラフエリアの枠以外は何も表示されません。次項の<List2>でプロットエリアを定義した後に、軸や凡例が反映されます。

Python_グラフエリアのみ生成
図5. <List1>の実行結果

3.2 「棒グラフ」の参照情報を定義する【Step.2】

<List1>に引き続き<List2>を追記してください。<List2>では「BarChartオブジェクト」にデータの参照情報を追加しています。

# [B] データの参照情報を取得する --------------------------------------------------

# データ(系列名を含めた)となるセル範囲の参照オブジェクトを取得
# 3(C)列-5(E)列、4行目-8行目を参照
data = Reference(ws, min_col=3, max_col=5, min_row=4, max_row=8)

# 項目名(カテゴリ)となる列の参照オブジェクトを取得
# 2(B)列、5行目-8行目を参照
category = Reference(ws, min_col=2, max_col=2, min_row=5, max_row=8)

# Chartオブジェクトにデータと項目を設定する
c1.add_data(data, titles_from_data=True)  # 第2引数にTrueを指定して先頭要素を系列名とする
c1.set_categories(category)                # 項目(カテゴリ)を設定

#---------------------------------------------
# <List3>へ続く

まず、5行目ではデータの参照情報を Referenceオブジェクト として定義します。(図6の赤の枠内)

その際、系列名となるセル範囲(図6の青の枠内)も含めた範囲を指定するようにします。

次に9行目では項目名(カテゴリ)となる参照情報の Referenceオブジェクト も同じように定義します。

Python_棒グラフのセル範囲の参照情報_List2_rev0.1
図6. <List2>のデータの参照セル範囲(Referenceオブジェクト)

そして、12行目の add_data()メソッド でデータ情報を、13行目の set_categories()メソッド で項目(カテゴリ)をそれぞれ BarChartオブジェクト に設定します。また、add_data()メソッドでは、引数:title_from_data に”True“を設定することで、データ領域の先頭行の要素(※)を系列名と認識するようにします。

引数:titles_form_data で系列名を指定できるのはあくまで先頭行の要素です。先頭列ではありませんので、元となるテーブルは図6のように配置しておかなければなりません。

3.3 棒グラフの形態と向きを指定する【Step.2】

<List2>に続き<List3>を追加して下さい。<List3>では、棒グラフの大まかな形態や見栄えを整えています。

# [C] 棒グラフ(BarChart)の形態タイプと見栄えの設定 -----------------------------

# 棒グラフのテーマカラーの設定
c1.style = 7         # テーマカラーを整数で設定

# バーの向き(縦、横)を設定する
# "col":縦棒グラフ , "bar":横棒グラフ(デフォルトは"col")
c1.type = "col"

# グラフの形態を設定する
# "standard"(標準), "stacked"(積み上げ),"percentStacked"(100%積み上げ)
c1.grouping = "standard"

# カテゴリ集合の間隔を調整する
c1.gapWidth = 200

#---------------------------------------------
# <List4>へ続く
4行目:【テーマカラー】

グラフ全体のテーマカラーは style属性 に既定のインデックスを指定することで簡単に設定することができます。設定可能なインデックスは1~48まで用意されており、図7のような色合いやグラデーションから選択できます。

「折れ線グラフ(LineChart)」にも同じようにスタイルが用意されています。詳しくは<こちら>も参考にして下さい。

Python_BarChartのスタイル一覧
図7. style属性によるテーマカラー一覧(一部省略)
8行目:【バーの向き】

バーの向きは type属性 にて設定します。”col”(縦向き)や”bar”(横向き)で指定します。省略した場合は、デフォルト設定の“col”(縦向き)が適用されます。後ほど詳しく解説します。

12行目:【グラフの形態】

棒グラフの形態は、grouping属性 にて設定します。

standard“(標準), “stacked“(積み上げ),”percentStacked“(100%積み上げ)の中から選択できます。今回は、標準の“standard”を設定しています。詳しくは、のちほど解説します。

15行目:【カテゴリ集合の間隔】

カテゴリ集合の間隔を調整するには gapWidth属性 で設定します。整数で0~500まで指定可能で、大きくするほど間隔が広がります。今回の例では、200を指定しています。

Python_gapWidth属性の解説_rev0.1
図8. gapWidth属性によるカテゴリ集合の間隔調整

3.4 系列に書式を設定する【Step.4-1】

<List3>に続いて<List4>を追記してください。<List4>では、各系列に対して、塗りつぶし効果を適用させます。具体的には、2つの系列データ(札幌・仙台)に対して、「単色塗りつぶし」「パターン塗りつぶし」を設定します。

塗りつぶし効果については、こちらの<Fillオブジェクト>も参考にして下さい。

# [D] 各系列ごとにバーの装飾を設定する

# <系列1>のバーの装飾 -----------------------------------------------------------

# Seriesオブジェクトの取得
ser1=c1.series[0]

# 単一色による塗り潰し

# ➀ RGB Hex表記による色指定
# ser1.graphicalProperties.solidFill = "FF0000"

# ➁ ColorChoiceオブジェクトによる指定
ser1.graphicalProperties.solidFill = ColorChoice(prstClr="cornflowerBlue")

# <系列2>のバーの装飾 -----------------------------------------------------------

# Seriesオブジェクトの取得
ser2=c1.series[1]

# パターン(模様)の定義
# (PatternFillPropertiesオブジェクトの定義)

# 【その➀ 属性による指定】
# ➀-1 縦縞模様の塗り潰し
fill =  PatternFillProperties(prst="dkVert")
# ➀-2 foreground属性で前景色を指定(赤)
fill.foreground = ColorChoice(prstClr="red")
# ➀-3 background属性で背景色を指定(青)
fill.background = ColorChoice(prstClr="blue")

# 【その➁引数による指定】
# fill = PatternFillProperties(prst="dkVert", fgClr=ColorChoice(prstClr="red"), bgClr=ColorChoice(prstClr="blue"))


# SeriesオブジェクトのpattFill属性に、パターン定義(PatternFillPropertiesオブジェクト)を設定する
ser2.graphicalProperties.pattFill = fill

#---------------------------------------------
# <List5>へ続く

6行目で、<系列1>の Seriesオブジェクト を取得します。14行目までは、この<系列1>のバーに対する処理を行います。

11,14行目 :【単色塗りつぶし】

graphicalproperties属性solidFill属性 を続けてバーの内部を単色で塗りつぶしています。

色は、11行目のように「RGBのHex表記(文字列)」で指定する方法(➀)、または14行目のように「ColorChoiceオブジェクト」を使う方法(②)の2つがあります。

一般的な色付けであればどちらでも構いませんが、この例では、ColorChoiceクラス が提供する豊富なカラーバリエーションの中から、組込みカラー定義“cornflowerBlue”を指定しています。

(14行目) ※11行目のRGB指定はコメントアウトしています。

ColorChoiceクラス の書式は以下の通りです。「組込み(prstColor)」「RGB形式(srgbColor)」「システム(sysColor)」「テーマ(shemeColor)」などのタイプに応じた指定が可能です。詳しくは公式ドキュメントを参考にして下さい。

ColorChoiceクラス

from openpyxl.drawing.fill import ColorChoice

ColorChoice(prstClr, srgbClor, sysClor, schemeClor)


引数: prstClor: 組込みカラーオプションから指定する

(‘cornflowerBlue’, ‘darkCyan’, ‘darkSlateGrey’, ‘darkSlateBlue’,など多数)

引数: srgbClor: RGBの文字列(’FFFFFF’)で指定する

引数: sysClor: SystemColorオブジェクト で指定する

引数: schemeClor: SchemeColorオブジェクト で指定する

戻り値: ColorChoiceオブジェクト

続く19行目で<系列2>の Seriesオブジェクト を取得します。以降、30行目まで、この<系列2>のバーに対する処理を行います。

パターン塗りつぶしは、最終的に37行目で graphicalproperties属性pattFill属性 を続けて適用することになりますが、その前に、網掛けするパターンの定義情報である PatternFillpropertiesオブジェクト を定義する必要があります。

26,28,30,33行目:【パターン塗りつぶしの定義】

PatternFillpropertiesオブジェクト を定義しています。網掛けするパターンの種類や前景色・背景色をクラスの引数やオブジェクトの属性を使って指定します。(➀-1,2,3)

33行目は、引数指定のみでオブジェクトを定義した場合です。(➁)どちらもできることは同じです。PatternFillpropertiesクラス の書式は以下の通りです。

PatternFillpropertiesクラス

from openpyxl.drawing.fill import PatternFillProperties

PatternFillProperties(prst, fgClr, bgClor)


引数: prst: デザインパターンを指定する

(‘dashUpDiag’, ‘narVert’, ‘horz’, ‘smGrid’,・・・など数多のオプション指定)

引数: fgClr: 前景色を指定する

(”FF0000”Hex表記の他、ColorChoiceクラスによる指定も可能)

引数: bgClr: 背景色を指定する

(”FF0000”Hex表記の他、ColorChoiceクラスによる指定も可能)

戻り値: PatternFillPropertiesオブジェクト

3.5 系列に書式を設定する【Step.4-2】

<List4>に続いて<List5>を追記してください。<List4>では系列全体に対する処理でしたが、<List5>は同じ系列の特定の項目に対して書式を適用する応用例となります。

# [E] 系列3の指定した項目(カテゴリ)のみ装飾を施す

# <系列3>のバーの装飾 -----------------------------------------------------------

# Seriesオブジェクトの取得
ser3=c1.series[2]

# 特定の項目情報はDataPointオブジェクトで管理
# 引数のidxは項目のインデックスをを指定
pt = DataPoint(idx=3)

# DataPointオブジェクトに施す、書式を設定する(この場合は、パターン網掛け)
pt.graphicalProperties.pattFill = PatternFillProperties(prst="ltHorz")

# Seriesオブジェクトに、DataPointオブジェクトを適用する
# 適用する方法は以下の3通りあり、どれでも構わない

#ser3.dPt.append(pt)           # appendメソッドで追加(1)
#ser3.data_points.append(pt)   # appendメソッドで追加(2)
ser3.data_points = [pt]        # リストで設定


# [F] 系列3のバーに「データラベル」を施す-----------------------------------------

# ➀全ての項目(カテゴリ)にラベルを表示する場合
# ➀-1 DataLabelListオブジェクトの取得
#lbl = DataLabelList(showVal=True)

# ➁特定の項目を指定してラベルを表示する場合
# ➁-1 DataLabelオブジェクトを取得する(引数idxは項目のインデクスを指定)
lb = DataLabel(idx=1, showVal=True)
# ➁-2 DataLabelListオブジェクトに追加する
lbl = DataLabelList(dLbl=[lb])

# 系列3のSeriesオブジェクトにラベル(DataLabelListオブジェクト)を設定する

#ser3.dLbls=lbl   # ➂-1
ser3.labels=lbl   # ➂-2


# Chartオブジェクトをシートに追加して保存 -----------------------------------------

ws.add_chart(c1, "B13") # B13セルを左上にグラフを貼り付ける
wb.save('BarChart_example1_standard.xlsx')

6行目で<系列3>の Seriesオブジェクト を取得します。以降38行目までは、<系列3>のバーに対する処理を行います。

10,13,20行目:【特定の項目の処理】

10行目で、系列中の特定の項目情報を管理する DataPointオブジェクトDataPointクラス引数:idx に何番目の項目なのかを指定して取得します。(この例では、4番目の項目データが対象となります。)

13行目では、「DataPointオブジェクト」に、適用する書式(パターン塗りつぶし)を定義します。

そして、20行目で、<系列3>の「Seriesオブジェクト」配下の data_points属性appdne()メソッド で定義した「DataPointオブジェクト」をセットします。

DataPointクラス

from openpyxl.chart.marker import DataPoint

DataPoint(idx, invertifNegative, marker, explosion)


引数: idx: 対象項目番号を指定する(0から始まるインデックスを指定)

引数: invertifNegative: 負数を反転する(True:反転する/False:反転しない)

引数: marker: マーカーの書式を設定する(Markerオブジェクト を設定する)

引数: explosion:円グラフの切り抜き度合いの設定(整数で指定する)

戻り値DataPointオブジェクト

※その他省略可能な引数が多数あり


<系列特定項目に塗りつぶし効果を適用する>

DataPointオブジェクト.graphicalProperties

graphicalProperties配下の属性については、<こちら>を参考にして下さい。

31,33,38行目 :【データラベルの設定】

個々のデータラベルは DataLabelオブジェクト で管理されています。引数:idx にラベル表示する項目番号(0で始まるインデックス)を指定し、引数:showVal を“True”に設定します。この場合は、<系列3>の2番目の項目に対する「データラベル」を定義しています。(1)

次に33行目で、DataLabelListコレクション にまとめます。(➁-2)そして、<系列3>の「Seriesオブジェクト」の labels属性 でデータラベルを設定します。

また、補足として系列のすべての項目に対してラベルを設定する場合は、27行目のように「DataLabelListコレクション」に対して 引数:showval を有効にします。(1)

DataLabelクラス

from openpyxl.chart.label import DataLabel

DataLabel(idx, showVal, showSerName, showPercent)

引数: idx: カテゴリのインデックスを指定する

引数: showVal: ラベルに数値を表示する    True(表示)/False(非表示・デフォルト)

引数: showSerName: ラベルに系列名を表示するTrue(表示)/False(非表示・デフォルト)

引数: showPercent: ラベルに割合(%)を表示する True(表示)/False(非表示・デフォルト)

戻り値: DataLabelオブジェクト


from openpyxl.chart.label import DataLabelList

DataLabelList(dLbl, showVal)

引数: dLbl: DataLabelオブジェクトをリスト形式で指定する(必要な要素分)

引数: showVal:ラベルを設定する場合はTrueを指定する

(但し、Trueを指定した場合すべてのカテゴリに一括表示される個別のカテゴリを指定するには指定しない、もしくはFalse(デフォルト)とする)

戻り値: DataLabelListオブジェクト


サンプルコードの解説は以上となります。<List1>~<List5>をすべて連結、実行した結果は図9のようになりました(以下からダウンロードできます)。タイトルやバーの塗りつぶし、それから特定の項目に対して、パターンやデータラベルが表示されることが確認できます。

Python_棒グラフ_List1-List5の実行結果
図9. サンプルコード(<List1>~<List5>)の実行結果

4. グラフの種別について<補足>

2節の<図4>のように、棒グラフ(BarChart)は、「バーの向き」と「グラフの種別」を組合わせて描画します。本節では、これらを設定するための属性と適用例を紹介します。

4.1 バーの向き

バーの向きは、type属性 によって縦棒“col”もしくは横棒”bar”(横棒)の指定ができます。容易に切り替えることができますが、両者の設定でカテゴリの並びが反転してしまう点には留意しましょう。

<List3>の8行目を<List6>を差し替えることで縦棒から横棒にバーの向きが変更されました。(図10)

# バーの向き(縦、横)を設定する
# "col":縦棒グラフ , "bar":横棒グラフ(デフォルトは"col")
c1.type = "bar"
Python_棒グラフ_type属性_col_bar_rev0.1
図10. type属性によるバーの向きの設定

4.2 棒グラフの形態

グラフの形態は、grouping属性 によって”standard“(標準), “stacked”(積み上げ),”percentStacked“(100%積み上げ)の3つの中から選択できます。

<List3>の12行目を<List7>の3行目に差し替えるだけで変更することができます。(図11)

# グラフの形態を設定する
# "standard"(標準), "stacked"(積み上げ),"percentStacked"(100%積み上げ)
c1.grouping = "stacked" # 積み上げ棒グラフ


# 隣接する辺の共有度合いを調整する(積み上げタイプのみ設定が可能)
# 100がデフォルト、小さくするごとに上下のバーがズレていく(-100~100の間で設定可能)
c1.overlap = 0
Python_棒グラフ_grouping属性
図11. grouping属性によるグラフの形態の選択

また、“積み上げ”タイプの棒グラフについては、overlap属性 の設定が有効となり、隣接する辺の共有度合いを調整することができます。「100」で完全に隣接し、小さくするほど離れていきます。「-100~100」の範囲で指定します。<List7>の8行目

Python_棒グラフ_overlap属性
図12. overlap属性による隣接辺の調整

以上1~3節が「棒グラフ(BarChart)」に関する一連の解説となりますが、棒グラフにはもう一つ立体(3D)タイプもありますので最後に少しだけ触れておきます。

5. 立体(3D)棒グラフ(BarChart3D)について

<2.項>冒頭でも触れましたが、棒グラフには、立体(3D)表現することができる BarChart3Dクラス が用意されています。

3D棒ブラフは、<List8>のように「BarChart3Dクラス」からChartオブジェクトを取得し平面グラフと同じように参照先情報や属性を設定していきます。

# 3D棒グラフ本体を定義するクラス
from openpyxl.chart import BarChart3D, Reference, Series

# Chartオブジェクト(3D棒グラフの実体)を取得
c1 = BarChart3D()

基本的な属性は平面(2次)のものと共通ですが、立体(3次)では次数が増えますので、設定可能な属性もその分増えることになります。ただ、特にこだわりがないのであればどの属性に関してもデフォルト設定(特に設定する必要はない)のままで構わないと思いますが、いくつか立体グラフ特有の属性もあります。<表1>

【Chartオブジェクトの属性】【機能】【詳細】
backWall背面の設定(調査中)
floor床面の設定(調査中)
sideWall側面の設定(調査中)
view3D立体の視点を調整(調査中)
gapDepth床面の奥行を調整0~500の範囲で設定する
shapeバーの形状を指定{‘pyramid’, ‘pyramidToMax’, ‘coneToMax’, ‘cylinder’, ‘box’, ‘cone’}
表1. Chartオブジェクトの属性

次の<List9>は<表1>の中から、バーの形状を指定できる shape属性 と床面の奥行を調整する gapDepth属性 を設定したコードの抜粋です。

# バーの形状をshape属性で指定
# {‘pyramid','pyramidToMax','coneToMax','cylinder',box',cone’}
c1.shape = "cylinder" # 円柱

# 床面の奥行を指定する(0~500)
c1.gapDepth = 250

<List8><List9>を反映させたグラフは以下のようになりました。

「shape属性」に「円柱」を意味する“cylinder”を指定しているのでバーが円柱表記になっています。また、「gapDepth属性」によって奥行が調整できることも確認いただけます。

Python_3D棒グラフのサンプルコード実行例
図13. 立体(3D)棒グラフの実行例

以上が、立体(3D)棒グラフの作成方法を平面グラフとの差分でした。繰り返しますが、基本的なコードは同じなため、共通するコードの解説は割愛します。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか?

Excelを操作する外部ライブラリ「openpyxl」を使用して、棒グラフの作成手順を実例を交えて紹介しました。

前回のクラスやオブジェクトの説明だけでは分かりずらい点もあったかもしれませんが、実際のコードを読むことで理解が深まったと感じて頂けたのではないでしょうか。

また、グラフ作成のコードにはある程度パターンがあるので紹介したサンプルコードを参考にアレンジしてみて下さい

Excelのグラフには、「棒グラフ」のほかにもさまざまなタイプがあります。

折れ線グラフ」「散布図」「バブルチャート」など良く使われるタイプを中心に解説していますので、是非そちらも参考にして下さい。


ここまでの内容をまとめておきましょう。

➀. 棒グラフのような系列ごとに同じ項目(カテゴリ)を共有するグラフの「Chartオブジェクト」を生成する際の注意点は以下の2つがあります。

  • 「Referenceオブジェクト」となるデータの参照情報は、複数の系列まとめて取得する
  • 系列ごとにオブジェクトを追加していくようなことはできない

➁. バーに装飾(塗りつぶし効果やデータラベルなど)を施す場合は、「Seriesオブジェクト」を取得したのち、配下の属性で設定する

  • 塗りつぶし効果については、graphicalproperties.solidFill属性 で設定する
  • データラベルについては labels属性 DataLabelオブジェクト を設定する

最後までお読みいただきありがとうございました。

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